【一人ワイン】シャトー・ムートン・ロートシルト1993(感動8)ポートレートの少女は姿を見せるのか!?

美味しいボルドーワインに目がないまさろうです。

 

あなたはボルドーワインの真髄とはなんだと思いますか?

 

まさろうはずばり巨大なスケール、堅牢さ、静謐さだと思います。

 

しかし、巨大さゆえになかなかその真髄までたどり着けず壁にぶつかり右往左往、、、そんな経験も多いんですけどね。

 

五大シャトーの一角を担うこちらのワイン、非常に内向的でストイックなそのスタイルは多くの愛好家を生んできました。

 

およそ20年の時を経てどのような姿を見せたのか?

 

シャトー・ムートン・ロートシルトを紹介いたします。

 

 

Chateau Mouton Rothschild 1993 

ワイン情報

種別  :赤ワイン

生産国 :フランス

生産地 :ボルドー ポイヤック

生産者 :シャトー・ムートン・ロートシルト

品種  :カベルネ・ソーヴィニヨン(77%)メルロー(11%)カベルネ・フラン(10%)プティ・ヴェルド(2%)

タイプ :一人ワイン、ビジネスワイン

バリュー:プレミアムワイン

嗜み日 :2014年2月

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まさろう評価

香り(9)🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸

甘味(8)🍇🍇🍇🍇🍇🍇🍇🍇

酸味(8)🍋🍋🍋🍋🍋🍋🍋🍋

タンニン(8)🍷🍷🍷🍷🍷🍷🍷🍷


感動(8)💖💖💖💖💖💖💖💖

 ※10点満点です。ワイン選びの参考になれば幸甚の至り☆

 

テイスティングノート

色調

暗く深みのあるガーネット色、光にかざすと縁に少しレンガ色の色彩もあります。

 

ディスクは厚くグラスを滑る脚も多く粘度もしっかりあります。

 

香り

カシスブラックベリーの黒系果実の香りは穏やか、ナッツアーモンドをローストしたような甘くスモーキーな熟成香があります。

 

スワリングするとコーヒーバニラミント西洋杉なめし皮湿った土などなど、いろいろな香りが表れてきます。

 

時間の経過とともにその香りは複雑さを増し、途轍もないワインを予感させます。

 

味わい

硬質で重いアタックです。

 

固くしまった酸味はシャープ、完熟したぶどうの甘味は皮をかぶったままかじったかのように苦味をともなって舌の上にトスンとのしかかります。

 

タンニンは重厚でありながらきめ細やかさもあり柔らかく、口の中をティッシュで拭うような収斂性もあります。

 

ボディはミディアムからフル、余韻は30秒くらいでしょうか?後味は高度の高いミネラルとミントユーカリのような青っぽい清涼感を残して過ぎていきます。

 

抜栓直後ということで硬く閉じていたため、デカンタをお願いして少し時間をおいてから再びアタックすることに。

 

1〜2時間後、硬かった酸味と甘み、タンニンはようやく丸みを帯び、熟した果実の甘味を豊かに感じられるようになりました。

 

果実の甘味はやがてトーストコーヒーのような香ばしい余韻も感じることができます。

 

スケールが大きく堅牢で静謐なぞわぞわする雰囲気がありながら、内向的でどこかまだ開ききっていないようなもどかしさもあります。

 

飲み頃を迎えるにはまだ時間が必要だったかも?早く起こしすぎてしまったのかもしれません。

 

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※ムートンのエチケットは本当にオシャレで素敵なものばかり。いつかすべての作品をコレクションしてみたいですね・汗

 

総評

裸婦の少女のエチケットが印象的な1993年ヴィンテージのシャトー・ムートン・ロートシルト、このエチケットはフランスの画家バルテュスによるポートレートを用いたものです。

 

リリースされた当時、アメリカの人権運動の煽りもあり、アメリカ合衆国ではこのエチケットでは販売されなかったそうです。

 

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※こちらがアメリカ合衆国で販売された絵柄のない寂しいエチケットです・汗

 

この無地で味気ない1993年のムートン・ロートシルトのエチケット、いまとなっては逆にレア物としてコレクターには貴重なアイテムになっているようですね。

 

1993年のボルドーは1年でおよそ160日も雨の日という多湿の気候でした。

 

早熟のメルローの出来はそこそこながら、遅い収穫となるカベルネ・ソーヴィニョンは完熟に至らず果汁の希薄化により薄味なものとなり、造り手にとっては非常に難しい年となってしまいました。

 

そんな中でもこの1993年のムートン・ロートシルトは、この年のポイヤック地区を代表するワインとしてベストワインに選出されました。

 

しかしながら、この時飲んだムートン・ロートシルトは硬く閉じた印象でした。

 

森の中を抜けたその先には素晴らしい風景と美しい少女がいるはずなのに、いつの間にか道に迷い見ることができずに引き返してしまった、そんなちょっと寂しい印象のままに終わってしまいましたね。

 

とはいえ、ムートン・ロートシルトが持つ巨大なスケールと堅牢で静謐なストラクチャーはしっかりと楽しむ事ができました。

 

 

シャトー・ムートン・ロートシルト1993のまとめ

残念ながらまさろうは魂をゆさぶられるようなムートン・ロートシルトを味わったことはありませんが、この儚さもムートン・ロートシルトの魅力の一つなのかもしれません。

 

いずれにしても内向的で抒情的、とてもストイックなワインです。

 

それがムートン・ロートシルトたるゆえん、他の追随を許さない巨大さにつながっているのかもしれません。

 

そして、このスケールの大きさ、堅牢さ、静謐さこそがボルドーワインの真髄だとまさろうは思います。

 

いつの日か、魂が揺さぶられるほどの深い感動を受けるムートン・ロートシルトに出会ってみたいです。

 

ここで一句

ムートンの

ムートンたるや

その資質

巨大迷路で

右往左往

   、、、お粗末さまでした

 

あなたの人生にとって忘れられないワインの出会いとなることを祈ります。

 

お読み頂きありがとうございました。

 

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