【一人ワイン】シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ1985(感動9)夢幻の如し魔王織田信長ワイン!
美味しいワインと歴史に目がないまさろうです。
このワインは下剋上の時代をしたたかに生き抜き、覇道の成就目前で夢幻の如く散った魔王織田信長のようなワインです。
「織田信長のようなワイン!?まさろうが世迷い言をいってやがる!」
そのものいい至極もっともです。
まさろうは日本では戦国時代や明治維新、中国史なら三国志や水滸伝など、幾多の英傑が活躍する時代をこよなく愛する歴史好きワインラバーです。
痛快な策謀によって魔術の如く敵を陥れたり、負け戦と分かっていながら信義を貫き命を懸けて戦う武将がいたりと、一度のめり込むと簡単には抜け出せない熱狂と興奮があります。
今回紹介するシャトー・レオヴィル・ラス・カーズ1985はまさに百戦錬磨の戦国武将、魔王織田信長を思わせる存在感あり。
一筋縄ではいかない甘い香りの誘惑、ほろ苦い策謀の如きアクセント、それでいて一騎駆けでは無双の勇気をみせる力強さを併せ持つボルドーのスーパーセカンドワイン、シャトー・レオヴィル・ラス・カーズを紹介いたします。
Chateau Leoville Las Cases 1985
ワイン情報
種別 :赤ワイン
生産国 :フランス
生産地 :ボルドー サン・ジュリアン
生産者 :シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ
品種 :カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド ※詳細なブレンド比率はわかりませんでした。
バリュー:プレミアムワイン
嗜み日 :2015年1月
香り(9)🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸
甘味(8)🍇🍇🍇🍇🍇🍇🍇🍇
酸味(7)🍋🍋🍋🍋🍋🍋🍋
タンニン(9)🍷🍷🍷🍷🍷🍷🍷🍷
感動(9)💖💖💖💖💖💖💖💖💖
※10点満点です。ワイン選びの参考になれば幸甚の至り☆
テイスティングノート
色調
少しくすんだガーネット色、縁はオレンジ色の色調があります。
脚の量は中くらい、グラスを滑る速度はねっとり粘度があります。
香り
抜栓直後は少しカビ臭い古い洋館のような香りです。
その後、熟したカシスなどの黒系果実の香りを先頭に、西洋杉や森の下草、腐葉土や燻したオーク材のような熟成を経たワイン特有の芳ばしいアロマを感じます。
スワリングすると香りのボリュームは広がり、干し肉やなつめぐ、またチョコやドライフルーツのような甘い香りが空間を支配しました。
これは途方もないワインの予感です。
味わい
香りのイメージとは少しギャップがあり明るくオープンなアタックです。
すっきりとした酸は弱く甘味はしっかり、タンニンの量は赤ワインにしては中庸ながら密度があり柔らかくきめ細やかです。
ミディアムボディでスケールは大きく凝縮感があります。
余韻も非常に長く、オレンジピールのような苦みとみずみずしい鉛筆の芯のような硬質なミネラル感を爽やかに残し過ぎていきます
1〜2時間で完全に開き、酸味と甘味とタンニンがこなれ絶妙なバランスを醸し出します。
本来であれば翌日まで残すところでありますが、このワインは飲みきってしまうべき儚いポテンシャルを感じたので初日ですべて飲みきりました。
スケールが大きくリッチでエレガント、タンニンはきめ細やかでシルキー、骨格は硬く引き締まった油断ならない筋肉質なボディのワインです。
総評
今回頂いたシャトー・レオヴィル・ラス・カーズ1985、まず抜栓するのに非常に苦労しました。
キャップシールをはがしてコルクを見たところ一面に灰色のカビが附着している状態。
「これは状態のいいワインの予感!」と、期待しつつソムリエナイフのスクリューを回転させながら刺してみるととても柔らかい感触です。
バックヴィンテージのワインを開けるときによくある感触とはいえ、万が一コルクが途中で折れしてしまうと面倒なことになります。
いやな予感がしつつ、ゆっくり引き抜こうとすると完全にアウト!案の定というか、いやな予感通りにコルクもろく、崩れるように割れて途中で折れてしまいました・泣
コルクの救出はワインラバーにとっては死活問題、なんとしてもコルクを落とさないように、そして割れた破片を液面に落とさないよう、更にボトルを不必要に揺らさないようにと、最新の注意を払いながらコルクと格闘することに。
かれこれ15分くらいは掛かったでしょうか?ボトルの注ぎ口で折れたコルクの救出に見事成功したときは思わず「セイヤ!」と叫んでしまいました。
そんな経緯を経てなんとか飲むまでにたどり着けたレオヴィル・ラス・カーズ1985、30年もの時を経ているにも関わらずやはり大物でした。
歴史好きなまさろうに表現させて頂くと、堅牢でありながらも、気高さと風雅を解する教養を併せ持つ百戦錬磨の戦国武将なイメージです。
「戦国武将みたいなワインってなんだよ」と笑われてしまうかもしれませんが、長い熟成期間を経たバックヴィンテージのワインに共通するイメージがあるのではないかとまさろうは思います。
腐葉土、森の下草、火打ち石、墨汁、燻した樽、なめし皮、醤油、味噌蔵などなど、、こういったものがそのイメージを想起させるのかもしれません。
シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ1985のまとめ
約30年の時を経て開けたレオヴィル・ラス・カーズ1985でしたが、そこはさすがのポテンシャルを持つ素晴らしいワインでした。
長い熟成に耐えることでそのポテンシャルを十二分に発揮するスーパーセカンド(1級シャトーを凌ぐ実力を持つ2級シャトーを表す言葉)とは、まさにこのシャトー・レオヴィル・ラス・カーズに相応い言葉です。
ちなみにまさろうはこの時、「信長」(原作/工藤かずや・作画/池上遼一)を読みながらレオヴィル・ラス・カーズ1985を飲んだのですが、戦国時代の覇者、日本が誇る革命児、魔王と怖れられた織田信長と重なる存在感を感じました。
ちなみにこの「信長」、池上遼一氏が描く劇画調のタッチとあいまってめちゃくちゃ格好いいです。
史実に基づきながらも、工藤かずや氏によって追加された挿話も見事なアクセントとして読み応え十分、まさろうはいくつもの歴史マンガを読んできましたが、戦国時代ものの作品の中でもイチオシです。
「おいおい、織田信長みたいなワイン?信長をワイン例えるなど言語道断、世迷い言はいい加減にしておけ!喝!」
と、手厳しいツッコミを頂きそうで恐縮でありますが、まさろうはそのときに飲んだワインの印象を忘れないよう、いつも何か「もの」や「ひと」や「音楽」などに例える遊びを取り入れております。
あなたもそのときに飲んだワインの印象を残す為に、なにかに例えてる遊びを取り入れてみてはいかがでしょう?
いつか、小野小町のような絶世の美女ワインにめぐり合う時がくるかもしれませんよ。
さて、あなたはレオヴィル・ラス・カーズ1985にどんなイメージを重ねるでしょう?
コルク割れ
苦難の名月
重ねども
我ラス・カーズ
ここにありけり
、、、お粗末さまでした
あなたの人生にとって忘れられないワインの出会いとなることを祈ります。
お読み頂きありがとうございました。
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