【一人ワイン】ルイ・ラトゥール・シャンベルタン・キュヴェ・エリティエ・ラトゥール2002(感動9)気分はナポレオン!
メドックの格付けシャトーをほぼすべて飲んだまさろうはボルドースタイルのワインに目がありません。
しかしながら、ブルゴーニュタイプのワインも大好きです。
つまりはただのワイン好き、酒好きということです。
ボルドーワインばかり飲んでけしからん!と、鉄拳制裁を食らったブルゴーニュタイプのワインは数多くありますが、こちらのワインもまたその一つ。
フランスの革命家にして皇帝に君臨したナポレオンも愛したとされるルイ・ラトゥールのシャンベルタンを紹介いたします。
Louis Latour Chambertin Grand Cru Cuvée Héritiers Latour2002
ワイン情報
種別 :赤ワイン
生産国 :フランス
生産地 :ブルゴーニュ ジュブレ・シャンベルタン
生産者 :ルイ・ラトゥール
品種 :ピノ・ノアール(100%)
バリュー:プレミアムワイン
嗜み日 :2016年3月
香り(9)🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸
甘味(7)🍇🍇🍇🍇🍇🍇🍇
酸味(8)🍋🍋🍋🍋🍋🍋🍋🍋
タンニン(8)🍷🍷🍷🍷🍷🍷🍷🍷
感動(9)💖💖💖💖💖💖💖💖💖
※10点満点です。ワイン選びの参考になれば幸甚の至り☆
テイスティングノート
色調
赤い色調が強い淡いルビー色、縁は少しレンガ色で程よい熟成の時間を感じます。
ディスクは赤ワインにしては中庸、脚は多くグラスを滑る速度はゆったり、粘度はまずまずです。
香り
ラズベリーやブルーベリーなど赤黒い果実の香り、奥にスミレようなフローラルな花の香りもふわっと感じます。
スワリングすると香りのボリュームが増し、シナモン、ジャスミンなどのスパイス、樽由来のオークのニュアンス、森の下草や腐葉土など土のニュアンスもあります。
グラファイトや鉛筆の芯ような硬質なミネラル感もあり、香りはとても複雑、途方もないワインの予感です。
味わい
シャープなアタックです。
酸はしっかり立ち、果実の甘味は硬く引き締まっておりまだその姿を現さず、タンニンは甘くチクチクと口腔内を刺激します。
ボディはミディアムでスケールは大きそうな雰囲気ですが抜栓直後ということもあってかまだ未知数、余韻は30秒くらいでしょうか?濡れた犬のような野性的なニュアンスと硬度の高いミネラル感を残して去っていきます。
硬く引き締まったままなので例によって空気を抜いて一旦セラーで一休み。
二日目は隠れていた果実味が開きシャープな酸といい具合に融合、キャラメルやメイプルシロップのような甘いニュアンスも表れます。
少し刺々しいタンニンもこなれ、程よく密度をもって滑らかに喉を滑りおちます。
肉付きがよく繊細ながらもしっかりした果実味はシャープな酸とバランスはばっちり、飲み応えがあり豪勢でありながらもエレガントなワインです。
総評
ルイ・ラトゥールは1797年から200年以上も続く家族経営のドメーヌ(フランス語で領主を意味し、ぶどうの栽培から収穫、醸造、出荷まで行う生産者)であり、またネゴシアン(フランス語で交渉人を意味し、農家からぶどうやワインを買い付け自社で熟成、瓶詰をして出荷する生産者)でもあります。
ブルゴーニュは小さな畑がたくさんあり、自社でぶどう栽培からワインの製造まで行っている農家は少なく、大手のネゴシアンにぶどうを出荷してる農家が多いです。
そんなルイ・ラトゥールのドメーヌもの、つまり自社畑でぶどうの栽培からワインの出荷をしているワインは全生産量の10%と言われております。
今回頂いたルイ・ラトゥールのシャンベルタンも自社で所有する特級畑で栽培されたぶどうを使い造られている、いわばルイ・ラトゥールのフラッグシップワインです。
ルイ・ラトゥールはコルトン・シャルルマーニュの生みの親としても広く知られております。
まさろうもルイ・ラトゥールのコルトン・シャルルマーニュを飲む機会が何度かありましたが、こちらもまた言葉を失うほどのクオリティで思わずひっくり返った経験が何度もあります。
そんなルイ・ラトゥールのシャンベルタンもまた、ボルドーワインばかり飲んでいるまさろうに鉄拳制裁を食らわせるインパクトを残しました。
もちろんボルドーワインのような重厚さや凝縮感のあるストレートな果実味はありませんが、奥行きある華やかな香りの中にある繊細な果実味と長い余韻はゾクゾクと心に響く深い感動をもたらせます。
ルイ・ラトゥール・シャンベルタン・キュヴェ・エリティエ・ラトゥール2002
シャンベルタンはフランスの革命家、皇帝ナポレオンが愛したワインとして有名です。
なんでも敵対していた相手国への軍事遠征の時もシャンベルタンを運ばせたという逸話も残っているそうです。
つまりは相当な酒好き、我が祖国日本で言えば、上杉謙信が武田信玄との戦いに五百万石で造られた純米酒を運ばせ、また馬上杯を片手に悠々と信濃へ遠征していた、といった感じでしょうか?
ちなみにシャンベルタンとはジュヴレ・シャンベルタン地区の中にあります。
まさろうも当初「シャンベルタンの中にジュヴレ・シャンベルタンがあるんじゃないの?」そう思っていたのですが逆でした。
ジュヴレ・シャンベルタンの中には9つのグラン・クリュの畑があり、その一つが「シャンベルタン」となります。
また、ジュヴレ・シャンベルタンで造られるワインの特徴は威厳があり男性的な力強さが魅力と言われております。
ブルゴーニュのワインにしては濃厚で凝縮感があるタイプなので、ボルドータイプのワインを愛するワインラバーにも受け入れやすいかも?
とはいえ、やはりピノ・ノアールで造られるワインはボルドータイプと違い、いわゆる重厚さはなく軽やかで繊細、そして香りが豊かで華やかなスタイルですけどね。
まさろうはルイ・ラトゥールのシャンベルタンを飲んで「ラディツキー行進曲」が頭に浮かびました。
音楽のマリアージュはずばり「ラデツキー行進曲」で決まりです。
毎年元日に行われるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートではラストを飾る名曲中の名曲、高らかに鳴り響く軽快なリズムに乗った勇壮なメロディを聴くと、思わず顎を上げ目線を空へ向けて元気よく歩き出したくなる心躍るナンバー。
終曲と共に背筋を伸ばして起立し思わず拍手喝采!そんなイメージです。
ラデツキー行進曲 ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート
さぁあなたはルイ・ラトゥールのシャンベルタンにどんな情景を重ねるでしょうか!?
タララ
タララ
タッタターラ
タララララッターラ
ふんふんラデツキー
行進曲とシャンベルタンで
気分はすっかりナポレオン
、、、お粗末さまでした
あなたの人生にとって忘れられないワインの出会いとなることを祈ります。
お読み頂きありがとうございました。
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